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筋膜性疼痛症候群に使う内服薬メモ2&Happy Rare Disease Day!

–サインバルタ(デュロキセチン塩酸塩,SNRI):これはセロトニン再取り込み阻害薬という抗うつ薬の一種。三環系の抗うつ薬よりも新しく開発され、その副作用も少ない。慢性疼痛疾患の患者にも適用があり、うつ病の治療だけでなく疼痛軽減に利用されるらしい。地元の心療内科に行って、正直に痛みのことを話してみたらこれが効くと思うといってもらった。日本では糖尿病性神経障害とうつ状態にのみ適応とのことだが、アメリカでは繊維筋痛症への適応がある。私がサイトをいろいろ調べた限りでは繊維筋痛症(以下FM)にきく薬が必ずしも筋筋膜性疼痛症候群(以下MPS)にきくわけではなく、逆もまた然りである。たとえば、非ステロイド系消炎鎮痛剤はMPSにはきくがFMには効かない。そういう経緯があってSNRIのサインバルタには懐疑的だったが、調べ直してみると慢性疼痛の治療に様々に応用されているらしく、まあまあ効果があるのかもしれないと思い始めた。しかし使ってみた感じはより症状が悪化した。どうも神経を興奮させる作用があるから、先日のカフェインと同じように中枢神経過敏を引き起こしてしまったのかもしれない。今日20mgを夕方服用したばかりなので長期的に服用すれば何か変わるのかもしれない。しかし薬についてググってみるとかなり薬をやめたときの離脱症状に苦しんでいる人が多いようだ。また減薬に消極的な医師も結構いるもよう。私は処方の際に離脱症状について一切説明がなかったし必然的に減薬のプランへの言及もなかった。つまり薬漬けのルートだ。したがって、これ以上服用を続けるのは好ましくないだろう。早い時点で気づいてよかった。
対して疼痛軽減効果もなかったし、どころかちょっと増したし、減薬のプランがないままこれ以上続けるのはよくない。そして次は、少なくとも繊維筋痛症を取り扱っている病院に行くべきだということがわかった。うつではないのだから服用量も違うかもしれないし、MPSについても知っているかもしれない。
FM、MPSは現代医学から見捨てられた病気といわれている。従来の検査方法で体に異常が出ないからだ。それでも患者は痛い。FMの疼痛レベルは、ひどい人だとガンの末期の痛みと同等といわれている。そういう痛みを抱えながら医者に「異常なし」といわれる苦しみは想像を絶する。私は中学生から自殺企図があり、今もしばしばそれは出る。それは私が精神障害だからではない。それは私が弱いからではない。うつ病だからではない。それは、朝も昼も晩も続く酷い疼痛のせいだ。もし私がうつだったとしても、それは痛みに起因している。うつだから痛い気がするのではない。痛みは私の想像上のものではない。ここにあるのだ。捻挫よりも腱鞘炎よりも緊張型頭痛よりも偏頭痛よりも深くてえぐるような痛みが常に私を苛み続ける。ベッドから起きるのが困難で、もし夕食を作れば風呂諦めなければならないくらいの痛みがいつもずくずくと首と頭を刺す。寝ても覚めてもそれは去って行ってくれない。友達からのメールも返せない。本も読めない。テレビも見れない。携帯もだめ。座っているのも立っているのもだめ。寝ているしかない。ひどい時はそういう痛みが何日か続く。そういう生活で明るく元気な精神でいられる人がいればお目にかかってみたいものだ。
FMMPSなどの認知度の低い疾患はもちろん、世の中には外から見えない病気や障がいを抱えた人がたくさんいる。そして今日は”難病の日” 。認知度の低い疾患やレアな疾患、難病の人たちのための日だ。難病の仲間たち、あとちょっとだけがんばろう!!

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昨日はサインバルタ疼痛を軽減しないって書いたんだけど一晩明けてみたら結構効いてきた。遅効性なのかもしれない。色々ググっていたらMPSでサインバルタ服用してる人がいた。一般的に抗うつ薬はいろいろな慢性疼痛にきくようだ。その他MPSの掲示板では抗てんかん薬を飲んでるひともいた。だからほんとうにきくのか確認と、離脱症状のリサーチが済んだ上で服用しようと思う。一日だけ20mgを服用しやめてみたが離脱症状はなし。しかし長期に渡って服用すれば辞めるのが辛くなるだろう。服用をできるだけ少量にし、医者に減薬のプランを聞いた上でのむのがベスト。医師が減薬に非協力的な場合病院を変えるか市販のカプセルを買って自主的に減薬するのがいいだろう。薬漬けは肝臓や腎臓に負担になるからしようはさいていげんにしたほうがいい。

(サインバルタがMPSの疼痛軽減に役立つかどうかの実験)
ちゃんと効果があるのか試したくて実験し始めた。まず昨日の晩(3/1)からのむのをやめた。離脱症状はなし。(離脱症状:薬をやめる際に出る副作用のこと。サインバルタの場合めまいや頭痛や脳が揺さぶられるような衝撃がすることがあるらしい。幸い一日しか服用しなかったのでそのような症状は出なかった。離脱症候群には適切に服用量を減らして行くことが肝要らしい。これは医師の仕事) 一昨日の夜(2/28/14)飲んだ時は疼痛軽減効果について懐疑的だった。正直気分がどうしようもなく落ち込んで、そちらの理由により飲んだといったほうが正しい。落ち込んだ出来事は斜頸の病院めぐり関係なのだがそれはあとで書くとして割愛する。とにかく飲んだ直後はむしろ痛みが増したがだんだんよくなっていった。NSAIDのイブに比べて効き目はマイルドな感じ。痛みスケール5-7/10。イブでは全く痛みがない時間があったがそれほどではない。しかし痛みスケール5-7/10というのは十分な効き目だ。あまり無理をしなければ起きて作業ができる。外出しても再起不能にならない。痛みで眠れないこともない。消炎鎮痛剤というのは頓服薬で長期に渡って飲むことを想定されていないから強い。安易に飲み続ければ身体を壊す。(慢性頭痛で痛み止めを飲み続けて痛風になってしまった人を知っている) SNRIのような抗うつ薬ももちろん副作用はある。しかしうつ病というのは慢性病でそれゆえ長期の服用が想定されているからあまり体にダメージを与えないよう作られている。(はず) そういう理由で疼痛抑制に三環系の抗鬱薬を求めていたが、この際SNRIでもききさえすればいい。抗鬱薬にはかわりない。それで本当に効果があるかどうか昨日から実験している。
今日(3/2)になってめきめきと疼痛レベルが7-9/10へ進んだ。買い物に行っただけでほとんどベッドから出られなかった。特に外出の後は、ほとんど我慢できない痛み、疼痛レベルMAXの10へ移行し(野球の硬球が当たったときくらいの痛み) 心身共に憔悴した。今日は寒く雨が降っていたからその影響の可能性もあるから明日まで実験を継続することにした。この疼痛の増加が天候によるものなのかサインバルタをやめたことによるものなのか見極めたい。

(3/3/14,実験2日目)
今日は天気が良かった。やはり天候の影響で昨日より活動した(サインバルタ入手のための精神科で3時間も待った!天気が良くて幸い。雨だったら再起不能でブログの更新もできなかっただろう) にも関わらず疼痛レベル6-8.5/10でぎりぎり9に乗ることなく外出を終えることができた。
個人的に作った疼痛スケールは0-10で、だいたい次のように規定している。

0:痛みが全くなく気分爽快。なんて素晴らしい日なんだ!
1:ちょっと疼くような痛みがあるけど気にならない
2:ちょっと不快だなあ。でも他のことをやってれば忘れる。
3:結構はっきりした痛み。ナイフで手を切ったときみたいな。日常の活動にほとんど支障がない。やりたいことがだいたいできる。就寝時間以外は横にならなくていい。
4:不快感が増してきた。すでにあざになってるところを押されるかんじ。
5:ごまかしようがない痛み。痛みで心拍数が上がるのがわかる。食事、勉強、掃除、買い出しなどは一通りできるがスポーツはできない。就寝時間以外に2-3時間程度横になる必要がある。
6:捻挫、ひどい緊張型頭痛偏頭痛くらい痛い。痛みでイライラする。だれか今すぐこの痛みをどっかにやってくれ!
7:痛みが酷くて気分にまで障がいをきたして感情が揺れ動く。起きている時間の半分から三分の二は布団。
8:この辺りから危険領域。痛みでイライラ、落ち込みが激しい。記憶力と集中力が極度に低下する。(今先の会話の内容を忘れる、知っているはずの単語を忘れる、口調がたどたどしくなる、今日何を食べたか何をしたかを忘れる) 中枢神経過敏も起こってきて光音匂いで痛みが増悪する。外の光、車の音が怖い。
9:ほとんど泣いている。痛くて一日ベッドから出られない。あらゆる光と音を遮断しなければ想像を絶する痛み。痛みで発作的に過食してしまう。絶望感で前が見えない。世の中すべて敵に見える。人に愛想をふりまけなくなり怒っているとおもわれる。ほとんど動けない。トイレにも決心しないと行けない。着替えられない。食事を作れない。ただぼーっと天井を仰ぐだけで一日が終わる。痛みで眠れない(どんなに疲れていようと) この状態が続くと便秘がおこる。
10:MAX。野球の硬球が当たったときあるいは麻酔なしで歯を削るような絶対に我慢できない痛み。頭が真っ白で何も考えられない。心拍数は急上昇して吐き気がする。不整脈もよく起こる。痛みが悪化するのでないたり興奮したりできない。緊張や不安も抱かないよう努力する。神に祈るしかない。誰か助けてくれ!!

昨日と比較すれば明らかに体調はよい。しかしサインバルタ服用時の疼痛スケール5-7/10に比べ、今日は夕方ごろ特に悪化しほとんど10まで進んだ。活動したとはいえ服用時に比べて明らかに痛みが強い。服用時とそうでないときの活動レベルを完全に同じにする実験も今後やらなければならないだろうが、この三日間の簡易実験でサインバルタの疼痛抑制効果がある程度証明されたとおもう。よって本日の夜から再び服用することにした。経過はまた追って書いていこうと思う。

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疼痛抑制に優秀なイブプロフェンの長期服用時のリスクを発見。主に腎臓にダメージがある模様。腎不全、心不全、肝機能障害をもつひと、利尿剤の服用者、高齢者はよりリスクが高い模様。

繊維筋痛症とともに生きる(音声動画)

繊維筋痛症とは、病気やケガをしていないのに全身のあちこちが痛む病気。全国に患者が推定200万人はいるとされながら、適切な治療を受けているのは数千人といわれる、”見えない病”。最近は大分可視化が進んだけれども、私の住む東北には、繊維筋痛症が分かる整形外科医は1人もいないと、はっきりと整形外科医に言われた。患者はおろか、医師も知らない病気である。最近になって、繊維筋痛症の当事者である橋本裕子さん(著書:そうまでして生きるわけ)が中心となったNPO法人 繊維筋痛症友の会 が設立され(平成14年)、多くのさまよえる患者に道標を与えている。自分自身が患う筋筋膜性疼痛症候群は、実はこの繊維筋痛症と症状がオーバーラップすることが多く、私は自分の病名を知ったときからこの繊維筋痛症についても興味をもってきた。先日、繊維筋痛症でググっていたところ有用な音声動画に突き当ったので紹介する。

繊維筋痛症とともに生きる(PART1~5のうち1)