タグ別アーカイブ: トリガーポイント

斜頸アップデート

*(e)->(English)

久しぶりの経過報告です。産まれたときには発症していた筋性斜頸とそれに伴う項靭帯付近への恒常的トリガーポイントの発生。前の記事では斜頸の程度が軽いために整形外科医は誰も治療に踏み出さなかったり、痙性斜頸と誤診され、ボトックス注射で嚥下障害を発症して激やせしたりした経験を書いた。今回はそれらに加え更に気付いたことなど述べてゆこうと思う。

•斜頸と貧困な歯科治療が周辺組織を拘縮させたもよう

大阪大学大学院歯学研究科・歯科保存学教室の教授、林美加子氏によれば、歯を削れば削っただけ歯科医に報酬が加算されるのに、予防歯科ではあまり診療報酬を得られない日本の保険制度には問題(e)があるという。なぜなら虫歯を予防することに重きが置かれないからだ。

幼少期から歯医者通いが多かったにも関わらず、歯や歯茎のクリーニング、スケーリング、フッ素散布などの予防歯科を勧められたことも受けたこともなかった。(3医院において) 虫歯になって行くと、決まって私の歯みがきの仕方がいけないといわれ、適当に削り、適当に充填して終わりだった。

1番長くかよっていた歯科医の腕があまり良くなかったらしく、治したはずの歯は四六時中痛んだ。(特に前歯) そのことを訴えても治っているのひとことで終わり。問題の左上の前歯はその後10年近く私を苦しめることとなった。
斜頸そのもの自体は軽度だったのだろう。しかしそれによって患部側の顎の発達がいくばくか阻害されたため歯が入りきらず、左の上下の糸切り歯のひとつ内側の永久歯は斜めに生えてきた。この歯のポジションが治療の難易度を上げたことは間違いない。(のちに私をこの苦しみから救ってくれた名医でさえ治療に1時間以上かかっていた……彼に治療してもらったあとは一度たりとも痛んだことがない)

地元のF歯科医院での治療は、充填が完全に為されておらず、そのために痛み、しみる感じ、が出たと名医に説明された。
問題の前歯は、再充填されるまでは朝も昼も夜も痛み、特に空気にふれるとしみたので、口を閉じていることが多かった。そしてこれが問題だったのである。
先天性の斜頸によって、歯が痛みはじめた時点ですでに、私の口、顎、舌、首周辺の、胸鎖乳突筋以外の骨格筋(広頸筋、顎舌骨筋、舌を動かす筋肉、表情筋など) はすでにある程度拘縮していた。口角を上げずらく、モノが噛みにくかった。そこへ恒常的な歯痛によって口が開けられないとどうなるか?体は代償行動に出る。すなわち正規のポジションよりも右上に顔を向け、頭を前に突き出し、口、顎、首の固まった筋肉を補おうとする。すると首の筋肉や靭帯にかかる負担は正しい姿勢だったときの4倍近くにもなる。

  

英国の研究者がWHOのショック状態への不適切なガイドラインに警告

これがトリガーポイント形成のキッカケとなる。更には治療ででこぼこになった歯が噛み合わせを悪くし、噛むことを司る筋肉が退化し拘縮に拍車をかけた。

以上のことを考えあわせると、斜頸単体というよりも、悪い口内環境と重なったことによって、口の内外と周り、顎、首の軟部組織が過度に拘縮し、頭と首を恒常的に無理な姿勢に導き、筋筋膜性疼痛を発症させたと推測する。筋膜性疼痛は以前述べたとおり長く罹患していると中枢神経過敏症をを引き起こし、光や音で痛みを発するようになるどころか耐え難い痛みを発するようになる。これを根本的に治療するには患部にトリガーポイント注射か鍼を刺したり、ストレッチ、マッサージなどで硬結部分を伸ばすだけでなく、トリガーを作った原因、つまり無理な姿勢、非対称な骨格、筋肉への過負荷などを矯正するアプローチが必要となる。

  

痛み止めには、抗鬱薬やNSAIDsなどが有効のよう。私の場合特にサインバルタとイブ頭痛薬が効きました。

見ることが許される性、許されない性、そして疾患を考える

考えがまとまり切らないし、あまり他でそういう研究やデータを聞いたことがないので書き散らしになっちゃうかもだけど、これまでの経験や観察から帰納的に性差別と慢性疾患(特に斜頸)について考えついたことを述べてみる。
この社会において、前提として、”頭が高い”という言葉でもわかるように、一般に目下のものが目上のものをまじまじと見るのは失礼とされている。また、他人をしっかり見ることも失礼とされているので、例えば電車など人が密集する空間においては、人は互いに目が合わないように気をつけている。これは男女ともいえることだが、街を歩いていれば、男性が比較的胸を張って周囲を見渡しながらまた睥睨しながら歩いているのに対し女性はうつむきがちに歩いているのが分かるだろう。これは電車などでもそうで、一般に男性は女性を見つめることを許され、女性は男性を見ることを許されていない。男性同士がどうなっているのかは知らないが、女性同士は私の経験からいくと目線があっても威嚇されたりすることはない。つまり女性が女性を見ることはこの社会においては問題にされない。なぜ私が、女性から男性への視線が社会規範を逸脱したものと考えるかは、もし私が男性の目を直視すれば、唸られたり、舌打ちされたり、攻撃的なボディランゲージで接近されたりといった威嚇をこれまでに数え切れないほどされてきたからである。私はこれについて語る女性にあったことがないが、少なくともこういう経験によって、私は電車、路上、ショッピングモール、海水浴場といった自宅とトイレ以外の全ての公共の場において常に男性を見ないように、注意を引かないようにする努力を強いられてきた。暴力を示唆するような威嚇をされたら誰だってこわいしそれを避ける努力をするようになるものである。
男性は常に女性を観察してよい。しかし逆は許されない。この社会に生きてきて、思春期に入ってほとんど最初に知ったことがこれである。これは大変息苦しく不自由な慣習で、せっかく外に出ても視線をいちいち気にしなければならないので楽しみも半減するというものだ。ビルのイルミネーションを楽しもうにも視線の先に男性がいたらできない。どのくらいの女性がこれを感じているかは知らないが、みんなうつむきがちに歩いているんだからこの慣習はわかっているのだろう。
言うまでもなくこういった慣習は有害だ。女性の自尊心を削るといういみでも有害だし、病気、特に斜頸の観点から見てもそうだ。
ググればたくさん写真が出てくるが斜頸というのは単に首が曲がる病気ではなく横に向く病気である。左の首が悪ければ顔は右を向く。酷いと90度近く廻って固定される。こういう首を持った私に降りかかるのは、悪態と脅しの嵐だ。女性からはされたことがないが反対の性からはよく受けた。だから私は必死に首を矯正した。いつも踏ん張って曲がらないように注意した。いつしかそれは習い性になって、自分の首がおかしいことに自分でも気づかなくなった。患部に痛みがなかったから長い間先天性疾患だとも気づかなかった。そうして私は筋筋膜性疼痛を発症した。終わることなく首の奥が痛み続け、その痛みは頭にも波及した。ただの痛みではない。光や音でさえ悪化し、何年もベッドから出られないようなすさまじい痛み。痛くて眠ることも風呂に入ることも外出することもできなかった。筋筋膜性疼痛症候群というのは一般にトリガーポイントブロックという注射で治療可能なはずである。それをしに上京もした。にも関わらず一向に回復しなかった。したとしても一時的なもので、日常生活ができるようにはならなかった。なぜかというと、第一にトリガーポイントの場所が脳幹の近くすぎて正しい位置に注射ができなかった。そして斜頸のせいで常に筋肉が圧迫されつづけトリガーポイントを形成し続けたからだ。斜頸を無理に矯正しているときだけ筋筋膜性疼痛が出ることに気づいたのはごく最近だ。つまり傍目から見たらまっすぐには見えても実際にはねじれていて、とてもストレートな状態ではなく、そのひずみがトリガーポイントとなって、私を夜も昼も10年以上にわたって苦しめ続けたわけだ。私の比較的がっちりした体型もあったのかもしれないが、斜頸を疑って病院に行っても、その”矯正”のせいで何度も何度も誤診されて苦しんだ。斜頸だという診断が降りず苦しんだ。ほとんど無意識下で、首まっすぐにしなければいけないという思い込みが強くあって、それを取り除くまでに非常に時間がかかった。力を抜いてみれば、私の首はほぼ真横を向き、倒れている。誰が見ても一発で変だと思う。私は四六時中力を入れていなければならない生活と疼痛から解放されて、見た目はひどいかもしれないが、とても安堵した。同時に、ここまで私の首を抑圧してきたものの要因のひとつに、”視線の社会規範”つまり”女性が男性を見ることは許されない”といったものがあることに気づいた。男性の人口が全人口の10%程度ならさほど気にせず素直に首が曲げられただろうが、人口の半分は男性だし、道を歩いているのは男性のほうが働きに出ていたりで多い。彼らの視線を避けるためには真下を見ているしかない。まっすぐに前を見ることはおろか、横を見たら確実に何か言われる。だから私は無理をしてでも首を”矯正”していた。そしてそれが結果として慢性疼痛疾患を引き起こした。
斜頸は珍しい病気だし大抵は幼児期に解決する。だから私みたいな経験をもつ女性はほとんどいないと思う。けれども、もし私の経験がだれかの助けに少しでもなればいいなと思う。

20140226-122504.jpg

筋性斜頸の診断への疑問

20140203-201715.jpg

Image By Wallyir

今回は自分の経験を交えて”筋性斜頸に対するこの国の小児整形外科/整形外科の姿勢”について記事にしたいと思う。
私は、難産で生まれた。出生時から首は右に回旋して左に倒れていた。物心つく頃から首に違和感があり、放っておくと右を向いてしまうのに気づいていたが、必死に真っ直ぐにして生きてきた。真っ直ぐといってもはたからみれば何となくそうなっているだけで、常に右足で踏ん張り、左肩は上がり、頭の中心線はずれている、不均衡な状態だった。子供心に覚えているのは、水泳で、クロールの左側呼吸が極端にやりにくいこと、左肩が常に上がっていたこと、首をよく寝違えたことだった。成人するまで、筋性斜頸という病名も知らなかった。気づいた経緯は今回は割愛するが、私はここで疑問を抱いた。私の斜頸はなぜここまで放置されてきたのだろうか。私はネグレクトされていたわけではないし、乳幼児期に健診にも行っている。そこで考えられるのは、医師が見落としたか、気づいたとしても大したことはない、治療を要するものではないと判断し、親に告げなかったかだ。小児整形外科における斜頸の扱いは、欧米に比べるとかなり適当で、治療の基本のガイドラインもないのではないかと推測される。筋性斜頸の子供を持った親は、ほとんどの子供が一歳までに”自然に” 治るといわれるか、良くても” 子供を枕の間に挟んで寝かせること” や” おもちゃを子供の悪い方の側の首に持ってきて首をストレッチさせること” を指示されるだけのようだ。病院のホームページや、投稿された体験談の多くが、小児整形外科医が”保存療法” を現段階でスタンダードの治療としているということを示唆していた。そして、良くならなければ手術に踏み切るという方針であるが、手術の時期は、1-4,5歳が最適という意見が多かった。
これに対し、私が今までに目を通した英語の先天性筋性斜頸の論文の全てにおいて( 書かれた国は、欧米からインド、トルコ、中国まで様々)、また英語のサイトのほとんどにおいて、筋性斜頸児への早期の理学療法の適用が必須とされている。週三回程度の頻度で、専門家による胸鎖乳突筋のストレッチを行い、それにどうしても反応しなかった患者のみが一歳前後で筋の切離手術を受けることになっている模様だった。切離手術後のコルセット装着や、理学療法も当然必須だ。なぜ日本の医療現場が理学療法を取り入れていないのかは疑問である。
自分の場合を振り返ってみると、おそらく小児科医が斜頸についてよく知らなかったのだと思う。そうでなければ診断があった時点で小児整形外科に回され、保存療法だったにしろよくならなければ手術を勧められたはずだからだ。それがなかったこと、そしてネットにおける筋性斜頸への言及の少なさ( 小児整形外科のホームページでさえほとんど言及がなく、理学療法も実施されず、手術部位ーー固くなった胸鎖乳突筋を一箇所切離するのか二箇所なのか、乳様突起の側を切るのか胸骨側を切るのか両方なのかーーについての詳しい情報もなく、何歳で手術に踏み切るのかの見解も医師によって違い、術後の首のコルセット着用期間も医師によって違い、術後の理学療法やリハビリについてはほとんど言及されていない) 、また、いくつかの投稿された体験談( 子供のころ手術したのに治らなかった、手術に踏み切るかどうかの基準が医師によって違う[ 成人の、放置された筋性斜頸の場合]) から、私は、日本においては、先天性筋性斜頸の研究が進んでおらず、統一した見解も治療方法もなく、欧米では効果的とされている理学療法(術前および術後の) も実施されていないこと、おそらく斜頸児専門の理学療法士もほとんどいないだろうという推論に至った。だからこそ、私の先天性疾患は二十年以上に渡り見過ごされてきたのだ。そして、子供の時分の私に、”私の首がおかしいのは、自分の性格が悪いからだ” と自分を責めさせ、長期に渡る首への負担によってとんでもない痛みを引き起こす、筋筋膜性疼痛を引き起こし、最終的に30分机に座ることさえ難しくさせ、不登校にさせ、私のキャリアを破壊した。
ホームページを開いている整形外科医の中には、先天性筋性斜頸は、”命には関わらないから” 放っておいてもよい/治療するかどうかは患者の親に一任してよい、と主張している方や、斜頸を放置していたことによる副作用で、患者の顔面や頭部が変形することに関して、” 大したことはなく、大人になれば目立たなくなる。斜頸での変形で困ったという患者の話は聞いたことがない” と言う方がいる。しかし、私の場合は、放置された筋性斜頸によって幼少期から顔面に対するコンプレックスを抱えー”なぜ自分はこんなに醜いのだろう、といつも思って何事にも積極的に取り組めなかったり、常に写真を撮られることが嫌だったり、顔でからかわれたことによる対人恐怖が、小学生のうちからあったりした” 、また、周りから誤解をされたりー”小学生のとき、無意識に傾いてしまう首のために頭の重みを支えるのが難しく、頬杖をついていたら、担任から「頬杖つくなんて生意気だ」みたいなことを言われて、ショックを受けたことなど” 、慢性の極度の肩凝り頭痛背中痛、そして恐らくは体の不均衡による片側の股関節痛( 長時間立っていると痛くなる。限度を過ぎると立ち上がるのが困難なほどの激痛。先天性臼蓋形成不全があるが、両脚なので、この、片側だけの痛みとは恐らく関係がないと思われる) 、首の動きの制限、筋筋膜性疼痛症候群の発症( 証明はされていないが、多くの筋筋膜性疼痛の医学書において、筋肉骨格系の非対称、不均衡、奇形と筋筋膜性疼痛の関連性が示唆されており、筋性斜頸は首の胸鎖乳突筋の片側が悪くなる、筋肉の非対称を形成する病気である。何より自分自身の経験から、斜頸と筋筋膜性疼痛は密接に関連があると確信している) 、噛み合わせの悪さによる食事の困難さ( 歯並びというよりも、左右で歯の高さが違う。これは斜頸を放置したことにより顔面の変形が進んだ結果であるーー悪い方の筋肉の側の目、耳、口の位置が下がり、鼻筋が悪い側に曲がり、悪くない方の筋肉の側の側頭部がペチャンコになる( 頭蓋骨の形成期に長時間アタマを片側に傾け、別の側に回旋してー左側の胸鎖乳突筋が悪ければ、首を左側に傾け、右方向又は右斜め上方向を常に見ているーー) 、体幹筋(胸鎖乳突筋は平衡感覚を司る体幹筋のひとつ) の負傷によるバランス感覚の悪さ( ボールを真っ直ぐに投げられない、バレーボールのサーブをいつもミスするーー体育でバレーボールがあった人なら、その後クラスメイトがどのような眼差しを私に向けたか分かるだろう。”足手まとい”だーー、平行棒ができない、マット競技で真っ直ぐ転がれない、真っ直ぐに泳げずプールのコース内で人と衝突する、水泳で左呼吸でクロールを泳げと言われてもできない、道で擦れ違う人との距離感をうまくつかめずぶつかりそうになる、股関節が酷く痛んだり、筋筋膜性疼痛で頭が割れるようだったりして運動不足及び足にうまく体重がかからないため、腸の蠕動運動を促さず慢性的に酷いーー一週間近く出ないこともザラなーー便秘、など、首を必死に真っ直ぐにしてもこれだけの弊害を抱え、加えてナチュラルな姿勢のときにはーーつまり顔がほとんど右を向いて左に傾いている状態のときはーー、機能上は前が見れないため信号が確認できない、左からくる人や車を認識できない、人と目を合わせて喋れない( 文字通り顔が横を向いているため) 、傾いている方の腹部にガスが溜まり酷い便秘になる( 一日それで苦しんだ。夜の二時まで)、対人関係上は、公共交通機関がストレスになる(狭い空間のため、例えば着席したときに右隣の人をまじまじと見ている姿勢になってしまい、悪態をつかれたり舌打ちをされたりしてしまったり、相手に居心地の悪い思いをさせてしまう【相手を見ることが失礼という社会的認識がある傾向の社会においては】) 、外出もストレスになる(奇異の目で見られたり、右側を歩く人を凝視するような格好になってしまうことなど) 、などを抱えて生きてきた。斜頸は文字通り人生を破壊した。これが、” 大したことがない” ことだろうか?私にとっては十分に重い、生まれながらに与えられた十字架だった。ネットの体験談などを読んでみても、斜頸によって社会生活の中で、苦い思いを持っている方がたくさんいるようだった。特に大人になってもなお斜頸を患っているという方のほとんどは、学校や会社などで、からかわれたり、そのことでいじめられたりといった経験があるように見受けられた。このように、筋性斜頸という病は、首の回旋と湾曲を伴い、外見を大きく変化させてしまうという、その特徴において、患者を非常に苦しめ、社会生活を困難にすることがある。特に社会的認知が進んでいない社会においては、病気とすら認識されない可能性もある。私が生まれてから四半世紀、自分でさえ自分自身がもっているそれの存在を知らなかったことを鑑みてみても、また、ネットでの、周囲の無理解によってからかわれた、ひどい言葉を投げ付けられて辛い思いをした、などの書き込みをみても、この社会において斜頸への認知度が低いのは予想されることであり、それは、医療現場においても進んだ討議と研究が行われていないことも示唆しているから、ひとたび”筋性斜頸” なるものを出生の時点で神か、それに似た何かに与えられてしまうというのは、この社会においては非常にハンデとなると思う。機能的にも審美的にも、患者に苦痛をもたらすのが斜頸であると私は当事者として思う。そして、そのような人生の困難に晒される患者ーー肉体的にも精神的にもーーを減らすために、更なる研究や、社会への啓蒙を、この社会は行なってゆくべきだと思う。

痛みと共に(日記)/I am stronger than who I was

こんばんは。いかがお過ごしでしょうか?私の地域は、風は強いものの、比較的暖かな日でした。
さて、慢性疼痛を抱える方なら分かるかとおもいますが、忙しくなったり寝不足になったりすると、痛みが悪化することがよくあります。ここ最近例になく忙しかったからか、一昨日あたりから悪夢のような痛みが続いています。寝るのにも支障が出て、昨日は3時まで眠れませんでした。痛む箇所は頭なのですが、普通の頭痛のような生易しいものではなく、寝ても回復しません。きりで頭蓋骨の中から抉られる感じの痛みです。筋筋膜性疼痛症候群という病気で、一般の緊張型頭痛などとはタチが違う痛みです。私は緊張型頭痛ももっていますが、それをほとんど痛いと感じたことがないくらい、痛みの閾値が上がってしまうくらい激烈な痛みです。私の場合はトリガーポイントという筋肉の悪い部分が、手が届かない部分にあるので、この痛みを和らげるためには鍼をうつしかありません。とにかく痛いです。体調が悪いと気分も落ちるしきついです。とにかく横になっているしかないので休みます。痛いよーー!

Hi, guys! What’s up?? This winter is colder than last year, right? At least, in my area, it has been extremely cold.
As you know, a patient who has chronic pain syndrome( such as fibromyalgia , joint pain, myofascial pain syndrome) could often being affected by climate. Especially , cold and/or wet weather is considered to be harmful for them. Hence, during winter period, I have to be very careful not to be exposed to cold , wild wind too long. And should be careful to wear adequate clothes, a scarf to avoid to being getting worse. I assume I have tried to pay enough attention to protect myself from being getting worse, but I was too busy to do that. Finally, now, I became sick, and impossible to get out of bed. I cannot even sit for a half hour due to extreme headache and neck pain, which is persistent and, caused by active trigger point, which is taut band during the muscle, producing intense hurtings.
Any of you, who have experienced chronic, deep ache ,might be familiar with tha fact that it– chronic severe discomfort can destroy all of your life , including career, relationships with relatives or close friends, and finally, your soul. I guess our souls are basically, full of joys, hopes for future, happiness with relationships with others, and comfort for loving someone, loved by someone. When bad things come, suddenly, you lose everything. Everything you wanted, you wanted to be, is gone and never come back. When you realized it, you might be depressed, feel like completely lonely, and lose hopes. When I was diagnosed to be myofascial pain syndrome, which is muscle related chronic pain disease similar to fibromyalgia , I was depressed, angry and full of anxiety for life. No one knows exact cause of it, no treatment ,which can completely cure it , available. No one could tell me when I was going to be able to get back to ” a normal life”.
Time by time, my depression was getting worse, even as I was getting suicidal thought. In this point, everyday is fight against ahes, anxiety, and suicidal thoughts. I did not have positive feelings, nor optimistic aspect. Then , one day, it turned out. Through some mind process, I have finally decided to accept all of my life, including my, sensitive, often-go-to-hospital, weak body. Before that, I have sometimes blamed my mum has given me such sensitive body. Now I realized that this, painful life is my destiny. Of corse I have been getting appropriate treatment to minimize discomfort around neck and head. But I do not know if i was getting better. But now, I am mostly positive and everyday, I’m seeking something good things but negative one.

I am stronger than I was used to be:)

筋性斜頸は筋筋膜性疼痛症候群を引き起こし得るか?成長後まで放置された筋性斜頸はどのように治療されるべきか?欧米の一般的な斜頸の治療法はどんなものか?

先天性筋性斜頸は鍼治療と整体で治るか?この問に対して、「治る」というのが私の答えである。究極的には。但し、注釈がついて、「もし腕がいい鍼灸師(少なくとも解剖の知識を持っている) の元で、一回一万円する治療(鍼)を、週一のペースで一年間から二年間続ければ」というものである。つまり、不可能。鍼治療を続ければ治るという根拠は、筋組織の性質にあって、それは損傷から最も回復しやすく、柔軟性のある器官だと何かで読んだからだ。斜頸というのは何らかの原因で胸鎖乳突筋という、首の最も多くの範囲を占める筋肉の片方が傷つき、腫瘤ができ、筋肉が繊維化して柔軟性と長さを失い、首が、悪い方の筋肉の側に傾き、反対側に回旋する病気である。おそらく、マッサージとストレッチと鍼治療を根気良く続ければ数年後には多少真っ直ぐにはなるかもしれない。(幼少時の治療においてはマッサージは禁忌とされている) 事故やスポーツのやりすぎで損傷又は繊維化した筋肉と、斜頸の原因となる筋肉の損傷は、理論上は似ており、鍼であえて組織に傷をつけることで自然治癒を促し、凝り固まった悪い組織を柔軟性のある組織に置き換えることができれば良くなる可能性がある。ただし、所感だと鍼だけでは限界があって(そこらのスポーツ障害よりも、組織が傷ついた時期が早く、程度が大きく、放置期間が長い) 、どうしても組織を手技でほぐす必要がある。もし首でなければぐいぐい押すこともできるが、丁度患部の筋肉の真下には、頚動脈が通っていて、その外頚動脈と内頚動脈に分かれる分岐点には、頚動脈洞というのがあって、これを強く押しすぎると血圧と心拍数に影響がある。失神することもある。言うまでもなく手技には危険な領域だ。よって、東洋医学的アプローチには限界を感じ、切離手術の必要性を感じた。
私は出生時から首が曲がっている、いわゆる筋性斜頸だったが、そんな病気があることは成人してから知った。幼少時から自分の首がいうことをきかないのは、「自分の性格が悪いせい」だと信じ込んでいて、常に変に見えないようにまっすぐにする努力をしていた。認めるのは悲しいが、短いくびと大きい顔のお陰で、全身で踏ん張ればなんとか真っ直ぐに見えないこともない(ただし首の中心線は、身体の中心線と大きくずれ、悪い方の側とは反対側に移動する) ので、生まれてから、自分の首が曲がっているのが、先天性の病気であり、自分が悪いからではないのだと気づくまで、人前に出る時は全力を振り絞って首を真っ直ぐにしていた。しかし、成長するにつれてその歪は、身体の他の部分に、代償としてのしかかってくるようになった。左肩の、慢性の異常な凝り、背中の右側の痛み、右の股関節の痛みと柔軟性の欠如、永遠に治らない右足の裏の魚の目(どんなスポーツシューズを履いても)、左手の弱い握力、(20以下)、左耳の痛みと度重なる中耳炎、そして極め付けが、左後頭部の筋筋膜性疼痛を引き起こす、活性型トリガーポイント。トリガーポイントというとお気楽なかんじに聞こえるが、断じてそうではないと宣言したい。それは、治療されなければ人を数年の間ベッドに縛り付けるのには十分な威力を持った病気である。痛みは慢性的で、治療しなければ、悪くなることはあっても良くなることはない。明確な原因も特効薬もないが、病状を構成する一因として示唆されているのは、筋骨格系の非対称又は奇形だ。dr. Dominik Irnich の” myofascial trigger points–comprehensive diagnosis and treatment”
によれば、トリガーポイントを形成し得る要因として、筋骨格系の非対称や奇形(足の長さが違うなど)が示唆されている。

同様に、トリガーポイントがなかなか治らない要因としても、筋骨格系の歪みがあげられている。

他に考えられる要因としては、栄養不足などがあげられるようだが、私は血液検査や献血に行くたび、看護師に”栄養たっぷりだね!”と言われるくらい、吸血鬼が吸いたいような血をしているようなので、当てはまらないだろうとおもう。食事療法なんかも試してみたが効かなかったので、原因は栄養不足ではなく、斜頸だと推測できる。専門書を読み漁っていると、やはりトリガーポイントが治らない要因の一つとして、斜頸という記述があり、

20140125-183417.jpg
ほとんど慢性疼痛の原因が分かってきた。この痛みを恒久的に取り除くには、斜頸を治療するしかないということだ。首の後ろ部分にできたトリガーポイントは、電気刺激を伴う鍼治療を何十回やっても再発し、鍼治療は対症療法でしかなく、更にその痛みは激烈で、一度トリガーポイントが起きてしまえば、左の後頭部を、錐で頭蓋骨の内側から抉られるような痛みが延々続き、起きていることが困難になる。ほぼ座っていることも不可能だ。
さて、身体が成熟し切った後の斜頸の治療は、稀にしか行われない。つまり、成人するまで先天性の筋性斜頸が放っておかれることは少ない。あるデータによれば、斜頸で生まれる確立は0.4-2.0%で、そのうちの九割近くは理学療法によって一歳までに完治する。どうしても理学療法に反応しなかった残り10%が、4歳までには手術をする。(そうしなければ顔や頭蓋骨が歪み、一生とれなくなる) 成人まで放置された斜頸についての論文よりーーこの外見への配慮、また身体機能を重視して手術に踏み切るケースが、アメリカなど海外ではほとんどであり、大体の英語の斜頸論文に”一歳までに治らなければ一生治らないので手術する”というふうに書いてある。対して、日本語の世界では、”命に関わらないのだから、手術するかどうかは親に一任してよい”という意見と、手術推進派が半々といったかんじであった。しかし、統一した見解も、有益な論文も、日本語ではあまり見つからず、論文があったとしても大学図書館まで借りにいかなければならなかったり、ただでさえ体調が悪いのに、疲労感ばかりが溜まって行った。そこで、気分を変えるために英語で検索してみたら、かなりちゃんとしたデータに基づいた論文が沢山出てきた。斜頸で悩んでいる方には、辞書を引いてでも英語で検索することを強くお勧めする。先天性筋性斜頸は、英語でCongenital muscular torticollisやwry neckと表現される。
英語で検索していて分かったことは
・先天性筋性斜頸の発生頻度は0.4-2.0%で男女比はほぼ1:1、右側の胸鎖乳突筋が悪い場合が若干多い
・欧米では、斜頸が発見されてから理学療法(Physical therapy) が始まり、そのセッションが終わってもどうしても治らない場合にだけ手術適応となるのが普通( ほとんどの子はこれで治る)

・頭部の変形を防ぐためヘルメットをする場合が多々ある。
http://howdoyoudoit.wordpress.com/2008/08/12/our-experience-with-plagiocephaly-torticollis-and-a-helmet/
・斜頸の程度がそれほど悪くなくても、頭部の変形があったら手術するべきだという意見がある。
・成人した斜頸患者でも手術によるメリットがあるとした治験結果とその論文がある=>http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2611989/#!po=38.1356
・手術後は、成人でも幼児でも、コルセットによる頭部の固定と、理学療法をするのが一般的である。
・頭部の固定期間は様々だが、三ヶ月して良い結果だったという論文がある=>http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2611989/#!po=38.1356
PubMedという医学論文検索サイトにおいて、muscular torticollisを、title/abstract でフィルターして検索すると、無料で全文が読める論文が20近く出てくる。(英語)
具体的な検索の仕方ーーStep1 サイトトップに行く。
Step2 トップ画面の検索ボックスのすぐ下にある”Advanced” をクリックする。
Step3 Builderという表記の下の上のボックスを、初期設定の”All Fields” から”Title/Abstract” にクリックして変更する。
Step4 変更したボックスのすぐ右の検索ボックスに、”Muscular torticollis” と入力。(単語と単語の間にスペースを一ついれて空ける)
Step5 フィルター指定ボックス(左はじ) の下の茶色のSearchボタンをクリック。
Step6 おそらく数百件のヒットがありますが、概要のみしか載せていない(全文を読むにはお金を払わなければならない) 記事が大半を占めています。全文を無料で読みたいので、記事の絞り込みを行います。画面左側に絞り込みフィルターがいくつかリストアップされているので、その中の、”Free Full text available” をクリックすれば全文無料の論文が出てきます。見当たらない場合、” Text availability” をクリックすれば下に出てくると思います。これで完了です!!
・斜頸の深刻度(治癒するまでにかかる理学療法の期間の長さや、理学療法によるストレッチやマッサージで治らず手術に至るかどうかの尺度) は、診断の時期(早ければ早いほど理学療法を要する期間が短い)および、首の回旋制限角度(首が回らないほど治りが悪い。首の傾きはあまり関係がない模様) と深い関係にあるとの調査結果を出した論文がある=>http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3660478/

その他、覚書は、
・日本語で「筋性斜頸」などとググっていた際、2chの”筋性斜頸なんだが・・・”が国内では一番情報が豊富だと感じた。
・筋性斜頸は、痛みがない病気、と様々の論文やサイトで目にした(英語サイト) にもかかわらず、これまで訪れた整形外科医五人のうち四人が、私に、悪い方の胸鎖乳突筋の痛みがあるかどうか聞いてきたことに、疑問と不信感を抱いた。ほとんどの医者が、成人の筋性斜頸の手術の経験がなく、あっても最年長で中学生という回答だった。

斜頸について日本語でググっていると、手術をしたのに治らなかったという記述をかなり目にしたが、私は、これは、医師の、斜頸への理解不足による、筋組織の切離の不十分さ、切離箇所の不適切さ、術後のコルセット装着期間の不適切さ、また、術後の理学療法の欠如か不足、いずれかか、いくつかの組み合わせによるものだと考えている。従って、現状、日本国においては、筋性斜頸治療のスタンダードやガイドラインがないため、患者は、自らどのような治療が適切かを、英語の論文を読むなりして判断し、相応の処置をしてくれる医師にあたるまで医師を探すしかないという結論に至り、目下、自分も模索中である。日本国内ではなくても、斜頸を適切に処置できない医師もいる模様。以下の動画は、斜頸のこの手術前後を追ったドキュメンタリーだが、あまり手術が成功したようには見えなかった。
http://youtu.be/CaKWEUjY7eM

————-追記———
斜頸の論文について新たな発見をしたので、太字部分で付け加えました。

筋筋膜性疼痛症候群に関する本リスト

<筋筋膜性疼痛症候群及び繊維筋痛症を調べるのに役立ちそうな書籍>

トリガーポイントに関して

・トリガーポイント その基礎と臨床応用(麻酔学)

・手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖(リハビリテーション)

・Myofascial trigger points-comprehensive diagnosis and treatment (英語)(リハビリテーション)

・神経療法――トリガーポイントマニュアル

・筋筋膜リリース・マニュアル

・Myofascial pain and dysfunction–The trigger point manual(Travel & Simons)(全二巻)(英語)=トリガーポイントマニュアル――筋膜痛と機能障害(全四巻)(日本語)

繊維筋痛症に関して

・繊維筋痛症-こうすれば楽になる(リウマチ、膠原病)

・そうまでして生きるわけ(闘病記)

・繊維筋痛症の診断と針灸治療

・繊維筋痛症は改善できる

 

新宿の紀伊国屋本店、東京駅の丸善本店、池袋のジュンク堂本店と、国内で最大手であろう本屋を一週間近くかけて朝から晩まで探し回り、見つけた書籍です。主に医学書のコーナーで、かっこ内はカテゴリーです。

私が患っているMPSにかんしては、主に麻酔学/ペインクリニックのコーナーと、理学療法/リハビリテーションのコーナーに書籍がありましたが数は少なく、日本最大大手の本屋でそうだということは、まだまだ国内では研究も進んでいない病気なのだなあと思いました。欧米では繊維筋痛症と並んで認知と研究が進んでいるらしく、事実今回リサーチした中で一番詳しく書いてあるのが、洋書の医学書myofascial trigger point –comprehensive diagnosis an treatment 、そして海外の著者による「繊維筋痛症–こうすれば楽になる」でした。

上記の本はすべて立ち読みしてよかったものなのでたち読みできる地域にいない方は、買っても損はないかと思います。

「痛み」に関する本では、以下がありました。

・疼痛の理学療法

・痛み治療の人間学

・痛み/鎮静の基本のしくみ

「痛み」というのは、急性期には、脳に生命の危険を警告する重要な役割を担っています。

例えば、熱したフライパンを触っていて「熱い!」と感じなければ重篤な火傷を負うでしょう。

腹痛を感じなければ小腸や大腸や胃の疾患が放置され、悪化するまで気づかれないでしょう。

しかし、痛みが慢性化(一般的に三ヶ月以上続く痛み)すると、事情は違ってきます。

体に異常がないのに(厳密にはあるが、ここで言うのは一般的な内臓疾患や外傷のこと) 痛む痛みは、それ自体で病気になります。

私が、このブログを書いている瞬間も痛みに襲われているように、痛みそれ自体が人間の生活や文化的活動を阻害してしまうからです。

筋肉の構造と働きについて
・骨格筋の構造・機能と可塑性

筋肉筋膜のリリース/マッサージについての教本
・クリニカルマッサージ James clay

画像