月別アーカイブ: 2015年7月

リベンジポルノの非合法化に尽力した人+海を越えリベンジポルノを告訴したひと(アップデート)

警告:レイプへ言及

・リベンジポルノとは?

リベンジポルノとは、恋人が振られた腹いせに元恋人の承諾なく、ヌードなどを含めた画像、動画をインターネットサイトに投稿することです。米国において非合法化が推進されたこと、日本においてある加害者が元恋人を殺害した上リベンジポルノをばらまいたことは記憶に新しいですね。
theguardianのI was a victim of revenge porn.では、頭のおかしい元恋人に付き合っていたときに撮らせた画像を住所名前職場の個人情報つきで投稿された女性が、必死に闘う姿が描かれています。そして証言台に立ち、他の団体の活躍などもあって、法が修正され、インターネットを不適切に使用したものは罰せられるという条項に従い加害者は有罪になるところまでこぎつけたようです。ただこの法律は州レベルなので連邦レベルで女性をリベンジポルノから守る法律を通せるよう要求していくとのことです。
アメリカではカリフォルニアもリベンジポルノを違法としています。

・チンバーズさんの戦い

アメリカ人のLGBTQIA+活動家であり、ユーチューブチャンネル、BriaAndChrissyの管理人、人気ユーチューバーのクリッシー・チンバーズさんもまたリベンジポルノの被害者です。彼女は十代のときに付き合っていた彼氏に別れたい旨を伝えたところ、相手から酒を飲まないかと誘われました。承諾し、夕方、一緒に飲んでいるうちに彼女は泥酔し意識を失いました。彼女はその後に起こったおぞましい出来事を全く覚えていませんでしたが、交際相手は意識のないチンバーズさんをレイプしたあげく、その様子をカメラで撮影していました。撮影された動画がネットに出回っていると知ったのはそれから何年もたってからでした。彼女はチャンネルの購読者のコメントでそのことを知り、ショックで、PTSD,悪夢、鬱状態に苦しめられ、アルコールを摂取することで気を紛らわすようになりました。彼女の現在の恋人であり、一緒にチャンネルを運営しているブリアさんは、チンバーズさんの苦悩する様子に非常に心を痛め、夜、彼女が寝静まった後にネットを検索して、彼女の動画が新たなサイトに上がっていないか毎日確認していたといいます。チンバーズさんのアルコール摂取量は増え続け、ついに急性アルコール中毒で死にかけて入院(E)するという事態にまで発展しました。さらに、最終的に35のポルノサイトに広まり、数万回再生された動画は、元交際相手の顔のみぼかしが入れられており、このリベンジポルノによってチンバーズさんは精神だけでなく経済的にも打撃を受けました。ユーチューブチャンネルの購読者数が減り、それが数千ドルの損失となったのです(E)

チンバーズさんははじめレイプの被害届をアトランタ警察に提出しましたが起訴には至りませんでした。そこで彼女は、元交際相手が動画をイギリス滞在中にネットに投稿していたことから、イギリスへ飛び、そこで民事訴訟及び刑事告訴の手続きを行いました。今は起訴できるかどうかの返答待ちですが、彼女はイギリスで初めてリベンジポルノに対する民事訴訟及び刑事告訴をした人物となりました。

イギリスでは今年4月にリベンジポルノ法が施行され、誰かの性的な映像や画像を相手の承諾なく悪意を持ってネットに投稿することは違法となりましたがチンバーズさんが被害を受けたのはかなり前だったためその法律は適用とならず、別の法を用いなければならないため弁護士は苦戦しているよう。これまでも女性の権利のために闘ってきた弁護士、Ann Olivarius氏は言います

We know what has to get done, we know this is wrong, we know that society should not tolerate this, it’s not acceptable behaviour, but still they get away with it all the time.

私たちは何がなされるべきかわかっている、リベンジポルノがいけないことだということも、社会が許容すべきではないことも、これが許されない行為であることも理解している。それなのに未だ加害者はいつも罰されないのが現状なのだ。

ガーディアン社は何度もチンバーズさんの元交際相手にコメントを打診したが、返答はなかったとのことです。