国際的な強かん罪をとりまく刑事司法制度の発展と、現代における定義および夫婦間の強かんについて

日本において、強姦の定義は極度に狭く、曖昧な印象を受ける。そこで、英語版ウィキペディアやその他英語のサイトを見てみて、どのようなことになっているか見てみた。その結果、現代の国際的な流れとしては、よく、日本の刑事司法制度で追及される”合意”についての定義は、日本のそれとはかけ離れるものだった。日本で、強姦に関する文献や資料は少なく限られているが、前に目を通した限りでは、”合意していなかった強力な証拠”が求められるようだ。例えば、身体的な傷や、大声で叫ぶなど。しかし、そのように抵抗して合意していなかったことを示すのは、ごく一部の被害者だけであり、全力で抵抗していなければ合意していたというのは、あまりに偏見にみちた、性犯罪被害者へのステレオタイプを踏襲しているだけであり、ラベル貼りでしかなく、このような制度や味方は被害者を沈黙させる。銀蔵セクハラ裁判で逆転勝訴した岡崎妙子さんのお話(動画;『らせん』根来裕監督・岡崎妙子さんトーク1・被害者からサバイバーへ)でも、裁判官は今だ女性に優しくない判決を下すことが多いようだ。彼女は、地裁で、裁判官に”事実でないことを判決文に含んで言われた”とも話しており、今だ日本の刑事司法制度、法律がいかに性犯罪被害者に無理解であるかという証拠にも見える。一般に、欧米で強かんの訴訟を起こす際には、被害者の合意の有無を証明するための体の傷は必要なく、どのような性生活を送っていたかによって判決が左右されることはないようだ。更に、さまざまな種類の強かんについても認識が広まっている。おそらく、現代の日本で、夫婦間の強かんの訴訟は皆無に等しいに違いないが、(妻は夫の性的要求をいついかなる時も、気が向かなくても満たさなければいけない、という誤った思い込みにより、夫婦間強かんはないことにされている)どんなに親しい間柄であっても、相手の同意を得ない性行為は強かんである、とはっきりウィキペディアに書いてあった。(下記、”婚姻関係における強かん”参照)ウィキペディアは完全ではないかもしれないが、出典が明白である記事だけを取り上げるようにし、正確性を追求した。まず、強かんの定義についてみていきたいと思う。

・強姦の定義

アメリカ発の、性的暴行のサバイバーを支援するサイト、Pandra’s Project。ここは、レイプだけでなく性的虐待、児童性虐待、強制猥褻などの被害者を支援するサイト。まずここでは、「強姦」について述べている。「強姦」の定義については、州によっても違うようだが、大体においてこういうふうになっている。

Generally, rape is  defined as sexual contact or penetration achieved:

  • without consent, or
  • with use of physical force, coercion, deception, threat, and/or
  • when the victim is:
  • mentally incapacitated or impaired,
  • physically impaired (due to voluntary or involuntary alcohol or drug consumption)
  • asleep or unconscious.

What is rape?, Pandra’s Project

一般に、以下に列挙する性行為又は挿入行為を強姦と定義する:

・合意のない 又は

・身体的暴力、強制、欺き、脅し 及び/又は

・被害者が:

・心神喪失状態、精神的に正常な判断ができない状態

・正常な身体機能を有しない(自発的、又は他者から強制されたアルコールや薬物の摂取による)

・眠っていたり、意識がない   場合

また、何を以てレイプとするか、またどのくらいの刑を与えるかは、国や、アメリカにおいては州によってさまざまなよう。まず、2002年、世界保健機構(WHO)はレイプを、

physically forced or otherwise coerced penetration-even if slight-of the vulva or anus, using a penis, other body parts or an object

-Krug (2002). Rapport mondial sur la violence et la santé. Genève: Organisation mondiale de la santé. p. 149. ISBN92-4-154561-5.

「身体的暴力、又はその他の強制力を伴った、ペニスか、他の体の部位による、膣か肛門への挿入(程度を問わない)」

と定義し、2012年にはFBIがレイプの定義を、

“The carnal knowledge of a female forcibly and against her will.”「女性の意志に反して行われた性行為」から、”The penetration, no matter how slight, of the vagina or anus with any body part or object, or oral penetration by a sex organ of another person, without the consent of the victim.”「程度の差を問わない、被害者の同意のない、ある体の部位または物体による、膣又は肛門への挿入行為、または、性器の口への挿入行為」というふうに変更した。[An Updated Definition of Rape (U.S. Dept of Justice, January 6, 2012) ,U.S. to Expand Rape Definition in Crime Statistics (New York Times, January 6, 2012)より] この変更はアメリカのメディアで大きく取り上げられ、CNNは、「U.S. broadens archaic definition of rape:アメリカが旧態依然としたレイプの定義を拡大」という記事でも取り上げ、この変更によって、より正確に性犯罪の統計を取ることができるようになった、と最高法務官のEric Holder氏は述べている。また、ドイツにおいては強姦罪の成立に挿入を必要としない。[参;Smith, ed. by Merril D. (2004). Encyclopedia of rape (1. publ. ed.). Westport, Conn. [u.a.]: Greenwood Press. pp. 169–170. ISBN 978-0-313-32687-5.]

また、英語版ウィキペディア;Rapeによれば、強姦は次のように定義されている。

Rape is a type of sexual assault usually involving sexual intercourse, which is initiated by one or more persons against another person without that person’s consent.

-Rape From Wikipedia, the free encyclopedia/“Rape”. Merriam-Webster/“Sexual violence chapter 6”. World Health Organization./“Rape”. dictionary.reference.com

「強姦とはある人物の同意なしに、1人または2人以上によってその人物に対して行われた、ふつう挿入を伴う性的暴行のことである」

同意がない条件として、暴力の行使、強迫があったり、または被害者の意識がなかったり、正常な判断力を失わせる事象が起きていたり、被害者が同意できるとみなされない年齢だったりすることがあげられている。また、見知らぬ人物からの強姦は通常、知り合いからの強姦よりも珍しく、またある調査によると、刑務所内での男性による男性への強姦や、女性による女性の強姦はよく起きているが、さまざまな種類の強姦(ex:date rape:デートレイプ、gang rape:輪姦、spousal rape/marital rape:配偶者による強姦、rape of children:児童への強姦、prison rape:刑務所内におけるレイプ、statutory rape:法的レイプ、war rape:戦時下におけるレイプ、corrective rape:矯正のためのレイプ<参考:Types of rape from Wikipedia>)に比べて最も報告されることが少ない。また、ウィキペディアによれば、レイプの被害者は、”…can be severely traumatized”そして”…may suffer from posttraumatic stress disorder;”・・・つまり、酷い心的外傷を受ける可能性があり、PTSDにかかるかもしれないとのこと。そして、続けて、レイプの被害者は、精神的打撃のみならず、身体的外傷を受けたり、性感染症へ感染したり、妊娠したりすることがあると書かれている。更に、被害者は被害の後に加害者から、特定の文化においては、家族や親せきから、暴力や脅迫を受けることがあるとある。

・同意について(何を以て合意とするか)

ウィキペディアのConsentの項によれば、レイプの申し立てにおいて、被害者が性行為に同意しなかったということが最も重要であるということ。性行為に及ぶとき、同意ははっきりと表現されず示唆的であることがあるが、拒絶しなかったことイコール”同意”とはならないという。被害者が寝ていたり、薬物を摂取していたり、その他の精神的な問題により正常な判断力を有しなかった時におこなわれた性行為、及び無理やり行われた性行為はレイプとなる。また、性行為に同意できると法的にみなされない年齢の子どもとの性行為は、同意があろうとなかろうと罪になる。また、私が読んでいて重要だと思ったのは、次の文;

Consent can always be withdrawn at any time, so that any further sexual activity after the withdrawal of consent constitutes rape.

Rape, Wikipedia

「同意というのはいついかなる時も撤回されうる。従って、同意の撤回後の更なる性行為はレイプを構成する」これは、先ほどの本から引用した文ともきっちりと合致している。つまり、性行為の直前でも、最中でも、やりたくなくなったり、続けたくなくなったらノ―といってよいということ。そして、それに続く意志を無視した性行為はレイプとなる。また、「抵抗不可能な力や暴力によって、脅された、又は支配され、強迫された被害者は、それによって性行為(挿入)を拒絶することができない。このような場合には、同意はなかったと推定される」とのこと。権力の濫用や、恐喝も強迫を構成し、強迫状態にある場合、被害者は同意しなかったと推定されるそうだ。また、ルワンダ国際刑事裁判所(The International Criminal Tribunal for Rwanda)は、1998年の裁判において、レイプの定義として”同意”を含めない画期的な判決を下したよう。ルワンダ国際刑事裁判所は、レイプを次のように定義づけた。” a physical invasion of a sexual nature committed on a person under circumstances which are coercive.”(Fourth Annual Report of ICTR to the General Assembly (1999)より)「強制力の下にいるある人物への身体的で性的な侵略的接触」これによれば、”合意””同意”の有無に関係なく、何らかの権力の支配下にいる人物と搾取的性行為をした場合、有罪とされ、合意しなかった証拠を提出する必要はない。聞き及ぶ限り、日本で性犯罪を訴訟する場合、”強力な”合意しなかった証(例えば、深い傷や、ひどい打撲傷など)を被害者側が提示しなければ、性犯罪を立証することが難しいらしい。この、”不同意の立証”の国際的変遷について、興味深い本があったので紹介する。

ラディカ・クマラスワミ国連人権委員特別報告者著、「女性に対する暴力をめぐる10年:国連人権委員会特別報告者クマラスワミ最終報告書」の「第1章:最終報告文―4、性暴力・レイプ」の項では、1994年から10年間の、性暴力に対する国際的な動きについて、特別報告者が任務に就いた頃は、”…性暴力犯罪はほとんど報告も起訴もされず、目に見えない存在だった。”そう。さまざまな国、さまざまな文化には、”被害者を深く疑う法律構造”があり、レイプは、女性個人に対する罪ではなく、女性、およびその家族の「名誉」に対する罪である地域も多々あり、”このような法制度では、人間に対する暴力としての強かんは、刑法において適当な判断がなされていない。”と著者は主張する。(太字はTinyTimによる強調)また、伝統的な法制度においては、”「女性の意志に反して」”という言葉が含まれており、これは、”女性が打ち身やあざといった形で身体的な抵抗の証拠を提示することを要求し””医学的な証拠か目撃者による確証”が必ず必要だったという。また、女性への偏見にまみれた刑事司法制度には、”強かん被害者には暗黙の階級がある”というコンセンサスがあり、”もし被害者が若く、未婚の処女であったら刑事司法制度は訴えを真剣に受け止め”、”年齢の高い既婚の女性であったら”その真剣度合いは減り、”有罪宣告の可能性は若干少なくな”ったという。また、被害者の性の経歴にも判決は影響され、”ただ一人の夫や恋人との関係ではなかった”ら、”強かん罪の有罪宣告はなかった。”。しかしながら、こういった強姦罪を訴えにくくする法律や刑事司法制度はこの1994年からの10年間で変わってきたと、クマラスワミ氏は言う。多くの国は、”正義の現代的な概念に適合するように強かん法を改正”し、”「女性の意志に反して」という言葉は(法律の条文から)取り除かれ、””抵抗を証明するため”に”身体的な傷や打ち身”を証拠として提出することは不要となり、過去の性の経歴、被害者がどのような人物と、どのくらいの人数と、どの位の期間交際していたか、は、証拠法で”証拠として採用でき”なくなり、性暴力を証明するために被害者の証言を裏付けする必要はなくなった。(カッコ内はTinyTimによる補填) また、夫婦間の強かんや、恋人間の強かんなどさまざまな種類の強かんが、10年の間に認識されるようになったという。多くの国で、強かんの被害者の立場は向上し、”警察と検察庁には性暴力専門のチームがい”て性暴力事件に関して能力を発揮するようになり、警察署には、被害者が”人目に触れず居心地の良い環境で証言できる「強かん被害者用特別室」(rape suites)”が設けられるようになって、被害者の負担は減りつつある。クマラスワミ氏はこのような変化を評価しつつ、最後に、このような改革がすべての国で行われたわけではない、と強調し、世界の強かん事件の”圧倒的多数は未届け”であると言っている。(ラディカ・クマラスワミ著「女性に対する暴力をめぐる10年:国連人権委員会特別報告者クマラスワミ最終報告書ー第1章 最終報告書全文-4 性暴力・レイプ」より引用)

また、クマラスワミ氏は、同報告書の「第1章―2 武力紛争」の項において、1994年当時は、”紛争時に暴力の影響を受けた女性の権利を守る効果的な国際的枠組み”は存在せず、これを作ることが、女性の人権擁護団体の重要な目的の一つだったと述べる。さまざまな国の戦争、内戦、虐殺において女性が恐ろしい暴力を受けてきたが今までは不処罰であり、多くの国々が、戦時下の女性への強かんは”戦争犯罪でも人道に対する罪でもないと主張し”特に、これを強力に主張したのが、”「慰安婦」や性奴隷の問題が提起された時”の”日本政府の官僚”であったと氏はいう。しかし、そのような考え方は、人権擁護の発展に伴って駆逐されていった。その発展の中で特に重要だったのが、国際刑事裁判所(International Criminal Court)ローマ規程の採択にある、と著者は述べている。国際刑事裁判所ローマ規程は、”あらゆる形態の女性に対する戦時性暴力”を”明文で禁止”した。第7条(1)(g)において、”強かん、性奴隷制、強制売春、強制妊娠、強制断種、その他これに匹敵する様々な形態の重大な性暴力”は”人道に対する罪を構成する”とあり、また、第八条(2)(b)(22)には、国際紛争時における戦争犯罪を構成するものとして、前にあげたような重大で多種の性暴力があげられている。国をまたぐ国際的条約においても、このように、戦時下における強かんや強制売春、性奴隷を、罪として定義づけている。

このような国際社会の、人権擁護、女性の人権擁護の流れをみれば、従軍慰安婦のような、戦時下性奴隷の制度について、”必要だった”などと、仮にも知事であったような人物が、この二十一世紀に軽々しく言うことがいかに適切でないか分かるだろう。いかなる状況においても、女性への暴力は、人道に対する罪を構成する。この戦争犯罪や人道に対する罪を定義づけた「ローマ規程」については後日もっと掘り下げていきたいと思う。

・婚姻関係における強姦罪:Marital rape(Wikipedia, Rape,Marital rapeより)

婚姻関係における強姦とは、配偶者による強姦であり、同意のない、配偶者が加害者である性行為のことである。かつて法的に看過され無視されていたが、現在は国際社会の、婚姻関係における強姦の違法化の動きが高まっており、さまざまな国で違法化が進んでいる。しかしながら、今だ”性行為を妻に強要すること”は夫の”特権”であるという認識が拭えない国も多い。婚姻関係における強姦は、20世紀中盤位まではどこの国、地域、文化でも合法だったが、第二次フェミニズムの波と、人権運動が盛り上がるにつれて、欧米諸国は次々と違法化していった模様。最も早かったのは、北欧と東ヨーロッパで、1970年までには婚姻関係における強姦を違法としている。次に、西ヨーロッパとアメリカが続いた。アメリカ国内で最も違法化の動きが早かったのは、1975年に違法化のソースダコタ州、最もおそかったのは1993年に違法化したノースカリフォルニア州だった。イングランドとウェールズ地域が違法化したのはわりと遅く、1991年だった。妻にセックスを強いることを夫の権利とするよい例を示す判決が、1985年に東京地裁で下った。以下がその引用文である。

“The marriage presupposes sexual union between both sexes. It is in no way illegal for a husband to demand sexual intercourse from a wife, nor does a wife have any rights to deny such a request. Because of the plaintiff’s [wife] complete refusal of a sexual relationship for no reason, the defendant [husband] became sexually frustrated, could not tolerate it, and forced sexual intercourse upon the plaintiff.(…) Although it involved a certain degree of violent acts, it is within the range of the degree of force used in fights among ordinary married couples, and thus, it does not warrant a special consideration [by court].”

Robert, Albert R. (editor). Battered Women and their Families: Intervention strategies and treatment programs, Springer Publishing Company, 1998

「婚姻は双方の性行為を前提としている。夫が妻に性行為を要求するのは違法ではないし、妻もその要求を拒否する権利はない。原告(妻)が理由なく性行為を拒絶したことにより、被告(夫)はフラストレーションがたまり、それに耐えられなくなり、原告に性行為を強要したのである。(…)いくらかの度合いの暴力を伴っていたとしても、一般的な婚姻関係にある者同士のけんかの域を出ないものである。したがって、この案件は考慮に値しない」”

「夫婦喧嘩は犬も食わない」と、夫から妻への強姦やその他の暴力が、”家庭内の個人的な出来事”として等閑に付されてきたことを裏付けるかのような判決である。夫から妻への家庭内暴力が”喧嘩”とみなされ、性行為に応じることは”義務”だとされる結婚生活の中で、どれだけの女性が身体的にも精神的にも深い傷を負い、怒りのうちにいたかを思うと胸が痛くなる。そのような虐待を終わらせるためにも、”婚姻関係にあろうと、相手がノ―と言っているのに性行為に及べば、それは強姦であり犯罪である”という概念を啓発していくことが大切であると思う。性行為について、よい指南があったのでここに更に記しておく。ケリー・ヒューゲル著の「LGBTQってなに?」というこの本は、主にセクシュアルマイノリティへのアドバイスなどについて書いてあるが、第七章には、恋人、パートナーとのセックスをどう進めていくべきかということが書いてあり、これはセクシュアリティ関係なく一般的な性行為への立ち位置としてとても有益なアドバイスだったので、ここに引用する。ここではQ&A形式で、ティーンの、セックスに関する様々な疑問に答えている。

Q:セックスを続けたくなかったら・・・・・

A:すでにセックスの経験がある人でも、セックスが好きでなければ、いつでもやめられます。一度したからといって、ずっとしなくてはならないということではありません。……パートナーがあなたのことを本当に愛しているなら、きっと理解して支えてくれるでしょう。……

……性行為をしたがるパートナーに「いや」というのは、非常に難しいことです。でもその人とセックスをしなくてはならないという義務はありません。……

ケリー・ヒューゲル著 セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック;LGBTQってなに?(英題:The Survival Guide for Gay, Lesbian, Bisexual, Transgender, and Questioning Teens)の第七章:セックスとセクシュアリティより

また、ヒューゲル氏によれば、セックスをするかしないかはいつ決めても、変えてもよく、それがセックスの直前でも、セックスに同意した後でも、前にOKしたことがあっても、どんな場合でも「いや」と言ってよいそう。「彼氏又は男性の家にある女性があがったら、それはセックスに同意したとみなしてよい」という考え方は完全に誤りであり、女性の性の自己決定権を蹂躙していると思う。女性がノ―といったらそれはノ―であり、沈黙も同意ではない。親しい間柄における強姦の概念は、地域によっては、いまだ大きな議論を巻き起こす話題となっているようだ。イスラム社会では、教典の教えにより、「妻は夫の性的要求を拒絶してはならない」というものがあるそう。以下引用。

“Allah’s Apostle said, ‘If a husband calls his wife to his bed[i.e. to have sexual relations] and she refuses and causes him to sleep in anger, the angels will curse her till morning.”

From Sahih Al-Bukhari Vol. 4 Hadith No. 460 & Sahih Muslim Vol. 2 Hadith No. 3368. See “Does a Wife have the right to refuse sex with her Husband?” Islamic Research Foundation, May 2011

”アラーの使徒は、「もし妻が夫の性的要求に従わず夫を怒りのうちに寝させたら、妻は朝まで天使に呪われるといった」”という内容なんだけど、とんでもない天使だね。とても男性に都合のよい”教え”だなと感じた。多分、その”教え”を書いたのも男性なのだろう。こういう考え方の男性も女性も周りに沢山いる。知り合い(女性)がその彼氏との接触を嫌がったとき、その人に「大人になって受け入れなきゃ」と言った人がいたがこういうこと。もし誰か男性とつがったら女性はその男性の性的要求に、いついかなる時も従わなければならない、という、女性の性の自己決定権を踏みにじる考え方。こういう考えがなくなっていけばいいなと思う。

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